【ヴァイパー感想】畏怖を忘れたもの、畏怖を抱え続けるもの。

おはようございます〜!

黄金のレガシー発売から一ヶ月が経過しましたね。ちょっとためらっていたのですが、そろそろいいかな? と思い至ったため、クエストの感想について書いていこうと思います。

はじめは、ヴァイパーのジョブクエスト(LV80〜LV90)の感想です。

ネタバレ配慮の乏しい内容となりますから、ご了承の上、続きをご覧ください。まだヴァイパーをクリアしてないよ、ネタバレを見たくないよ、というかたは、ここから先の記事は避けてくださいね。

よろしくお願いします!

目次

ヴァイパーを称する男

ウルダハにいる「困った様子の裁縫師」に話しかけることによって、冒険者は、裁縫師に仕事を依頼してきたものの、支払いを渋る、ヴァイパーを称する男との仲介を頼まれます。

それでケシュカと名乗る、トラル大陸からやってきたその男に話しかけたところ、これまでは代金の代わりに魔物を討伐していたようだと分かるのですよ。それで冒険者とケシュカは、共に、魔物を討伐することになるのでした。

とはいうものの、実際に戦った人物は、ケシュカです。

獲物となる魔物を見つけたケシュカは、鋭く俊敏な動きで魔物をあっさり倒しちゃったんですよ。や、冒険者の出る幕なんて、どこにもありませんでした。

でね、戦闘オタクな冒険者(うちの子はそういう設定です)がヴァイパーの戦いぶりに興味を惹かれているとケシュカは見抜き、「ヴァイパーの技に興味があるというなら、この技の伝授と引き換えに、俺の使命を……トラル大陸から、ここエオルゼアへと逃亡してきた憎きトラルヴィドラールの討伐を手伝ってもらえないか?」と提案するのです。

その場で即答しなかった冒険者ですが、ウルダハに戻って魔物が討伐された結果を裁縫師ギルドに報告した後、ケシュカを手伝うと伝えるのでした。そしてヴァイパーの基本的な技を教わり、これから追いかけるトラルヴィドラール「イクソク・シュマジュン」にまつわる事実を話してもらうのですよ。

***

このときはですね、とにかくワクワクした記憶があります。やっと新しいジョブを触れられるんだ、遠慮しなくていいよすぐにヴァイパーになるよあなたに協力するよ! と言いたくなりましたっけ。

ただ、同時に、ケシュカという人物が心配になったことも事実。

なんと申しましょうか。容貌は厳ついお人なんですけれど、戦闘以外に疎い御仁だったのです。

事実、それで裁縫師ギルドと揉めていたわけですからねえ。

だからこのケシュカを放って置けなくて、協力を申し出たくなったのですよ。戦闘以外に疎い御仁、でもちょっと信頼できる雰囲気のある御仁。これからヴァイパーとして研鑽を重ねていくとき、このケシュカと一緒なら、実りあるときになりそうだなあとも思いました。

獣に迂闊に手を出してはならない。

ケシュカの兄弟子の仇でもある「イクソク・シュマジュン」と同じ特徴を持つ大型の獣が黒衣森へ向かったよう。その詳しい話を聞くためにグリダニアに向かう冒険者たちは、その大型の獣が人を襲っているらしいと知らされます。

そこで調査をしているゴリアス少牙士から、イクソク・シュマジュンを捜索する狩猟隊を結成しているイノセント・ストークを紹介され、その狩猟隊と合流するのですね。

彼らはイクソク・シュマジュンを頭の悪い魔物と判断し、トラル大陸でイクソク・シュマジュンと実際に戦った経験のあるケシュカの主張を軽んじて単純な罠で捕えようとするのですね。けれど、それは過ち。狩猟隊は全滅します。

今回の件で、イクソク・シュマジュンは武装した相手と戦えると知りました。だからこそ、その被害は今後増えていくだろうとケシュカは判断。ただしイノセント・ストークが協力してくれることになるのでした。

***

このエピソードに登場する狩猟隊は、本当に腹立たしい人たちでしたねえ。同時に、冒険者がぞんざいに扱われるなんて珍しいなあとも感じました。エオルゼアでは英雄と呼ばれている冒険者だけど、顔はあまり知られてないのかな。

それにしても、エオルゼアの一般的な傭兵ってこんなふうなの? と思ってしまいました。

ちょーっとばかり慎重さが足りないんじゃないだろか。相手は魔物だけど、でも実際に戦った経験者の言葉を軽んじるなんてベテランとは言い難いよ、とも思ってしまいましたが、そんな彼らが迎えた最期に「厳しいなあ」と感じてしまいました。彼らは欠点を抱えていたけれど、その欠点に足を掬われるなんて、ね。

うん、わたしは英雄でもある冒険者視点でこのエオルゼアを眺めていますが、本来はエオルゼアって、このくらい厳しい世界なんだろうなあとも感じました。冒険者ってさ、なんだかんだといって、人や能力に恵まれてるよなあとも思ったり。

広がる被害

このクエストでは、イクソク・シュマジュンの被害が拡大している事実を知らされます。

が、襲われた冒険者たちの話を総合することによって、イクソク・シュマジュンの欠点が明らかになります。

それはアラミゴ出身の冒険者が持っているポプリの匂い。

だから冒険者たちはそのポプリの元となった野草を入手し、イノセント・ストークにその野草を使った匂い袋を作ってもらうのですが、そのイノセント・ストークはイクソク・シュマジュンの生け捕りを提案します。

さらにゴリアス少牙士も何かに怯えているよう。

なんとも不穏な感じに、イクソク・シュマジュンの討伐に暗雲が立ち込めてきます。

***

そもそもLV80のクエストに、イノセント・ストークらしき人物がちらっと出ていたんですよね。だからその時の様子から、ちょっとばかり、イノセント・ストークに対する不審感はありました。

でもまさか生け捕りを提案してくるなんて、と、この時にはビックリしましたよ。

好事家にペットとして売り飛ばすつもりなのかなー、と、わたしは思いました。商人ですからね、珍しい魔物を買いたがっている権力者とのツテを作りたいのかな、とか、考えついたんですよ。イクソク・シュマジュンの顔は怖いけれど、毛並みは派手で見応えがありますものね。

とはいうものの、たくさんの人をすでに殺害している魔物を生け捕りなんて、悪趣味だなあと思いました。ペットとして飼うなんて、もっとありえない。その不用心さは確かに戦わない人間の発想だよなあと思ったものです。

ええ、この時点ではね……。

匂いが指し示すもの

匂い袋が完成したため、イクソク・シュマジュンを招き寄せることになりました。

ただ、冒険者たちはイクソク・シュマジュンを討伐することはできませんでした。あくまでも生け捕りを希望するイノセント・ストークに謀られ、遠ざけられたからです。気づいた時には遅く、イクソク・シュマジュンはイノセント・ストークによって生け捕りにされていました。

そして、そこまで生け捕りにこだわったイノセント・ストークの目的とは何か。

--それは、凶悪で珍しい魔物を支配し、獲物を蹂躙する殺戮ショーをくりひろげることだったのです。

望まぬ支配であれば、もちろん抵抗するでしょう
しかし、イクソク・シュマジュンの殺戮を望む残虐性、それを私が満たしてあげられると、理解すれば……きっと頭を垂れるようになるはずです

そう言って、イノセント・ストークは獣を差し向け、ゴリアス少牙士と共にこの場を立ち去るのでした。

***

ただの変態だったのか。

それがわたしの感想でした。うーん、ウルダハ始まりの物語で、おまけに商人なんだから、てっきり権力者とのツテを求めた強欲な商人だと思っていましたよ。

それが、ただの変態だったとはねえ。

おまけに、阿呆な変態だ、とも思いました。

だってさ、自分の理屈を他者が受け入れてくれると頑なに信じちゃってるんだもの。なんで、人間でもない魔物をそこまで信じることができるの? その無防備さがいっそおっとろしいわ! と思ったのですよねえ。

トラルヴィドラールを狩る者

冒険者たちは、ゴリアス少牙士の上司から受け取った手紙によって、イノセント・ストークが冒険者たちを誘い出そうとしている事実を知ります。そして南ザナラーンに向かい、イノセント・ストークに対峙します。

イノセント・ストークはイクソク・シュマジュンをけしかけてきますが、他でもないイノセント・ストークの行いによってイクソク・シュマジュンは本調子ではなく、ついにイノセント・ストークはイクソク・シュマジュンに排除されます。

そして冒険者たちは、本調子を取り戻したイクソク・シュマジュンと激闘を繰り広げ、ついに因縁の相手を下すのでした。

***

うん、そうなるよねえ、とイノセント・ストークの最期に対して思いました。

たぶん、イノセント・ストークだって自分の力で這い上がってきたんだろうなあと思います。結果、自分が持つものすべてに対して自負心があったのでしょう。ただ、自分が支配下に置こうとした存在を見誤ったら破滅を招くという事実を、彼女は知らなかったのでしょうか。あるいは、自分だけは大丈夫だと信じたがっていたのでしょうか。

彼女の行いによって命を奪われた存在を思えば、イノセント・ストークの最期はあまりにもあっけないなあとも感じました。生きて罰を受けるという責苦を味わえばいいのに、とも思いましたが、侮った存在からの強かな反撃を受けて迎えた、因果応報的な最期なのだから、これ以外にふさわしい罰はなかったのかもしれません。

そしてケシュカさんは、イノセント・ストークとは本当に対象的だなあと感じました。

彼の根底には、自然への畏怖があるようにも思えます。トラルヴィドラールという驚異的な存在を狩る者だからこそ、なのかな。ヴァイパーって強いじゃないですか。だからこそ魔物を倒す上での自負心もあると思うんですが、このクエストで見る限り、その自負心に溺れる様子が見えない。

獲物の本領を見誤ったものから、破れ散ってゆく……。自然界における絶対の掟だ

エオルゼアで商人として生きてきたイノセント・ストークの世界はもしかしたらずっと狭く、トラル大陸でヴァイパーとして生きてきたケシュカの世界はもしかしたら、ずっと広いのかもしれません。

その後のケシュカとゴリアス

使命を果たしたケシュカはまだ、エオルゼアにいます。

なぜなら、帰りの船賃がないから!!

なんとも世知辛い理由です。ちょっと心配になりますが、もろもろの不始末のケリを、双蛇党を自主退官する形でつけたゴリアスさんがサポートしてくれるから、きっと大丈夫だろうと思います。

クォーリーミルにいる二人に話しかけてみたところ、イシュガルドやシャーレアンにも赴いて、他国のモブハント組織にも顔を出そうとしているんだから、逞しいですよ。

--このヴァイパーのジョブクエストは、硬派でストレートなメッセージが込められてる、王道の物語だなあと思いました。うん、素直に好きだなあと感じる物語です。はじめの予感通り、実りある旅になりましたね。

ちなみに、現時点でのヴァイパーLVは96です。

100になったら、クォーリーミルにいるケシュカたちのメッセージは変わるのかな。ちょっと楽しみだなあと思いながら、コツコツと育てているのでした。今日も頑張って育てたるー!!

ではでは、長文にお付き合いいただき、ありがとうございました!

コメント

コメント一覧 (2件)

  • とっても深い話ですね

    僕に分かりやすかった

    どうもどうも

    僕 ゲームに得意じゃないけど

    • コメント、ありがとうございます〜!

      はい、ヴァイパーのお話はとっても深くて興味深いです。
      こういうお話を書ける人ってすごいなあと思いました!!

      ゲームが得意ではない方にも刺さるお話なのだなあと思うと、
      改めてまだFF14を遊んでいない人におススメしたくなります♪

コメントする

目次