
ぐったりなときがあります。キャラクターを動かすには、あまりにも疲れ切っているとき。
そんなときのわたしは、FF14をゲームだと思っていません。
では何と思っているのかと申しますと、大好きな映像を流してくれる再生機だと思っています。そう、これまで堪能してきた物語のカットシーンを再生してくれる媒体。
だから、愛用の紀行録がある宿屋は、ときどき、映画館にもなってくれるのですよ。
今日はわたしが疲れたとき、繰り返し再生させているカットシーン三選について書きます。暁月のフィナーレ最新パッチまで遊んだわたしが書く文章ですから、ナチュラルにネタバレ配慮なしです。
よろしくお願いします。

クロニクルクエスト:パンデモニウム「星に願いを」

再生している理由:ラハブレアと大好きな声優さんテミスがたっぷり話してくれてるから!
クロニクルクエスト:パンデモニウムの完結編である「星に願いを」では、特に、カットシーン4をたくさん再生させています。なぜならテミスの穏やかな語り口調を聞くと、疲労に荒れた心が凪いでいく気持ちになるからです。
同時に、この人物と冒険者のエピソードを思い出して、不思議な気持ちになるのですよ。この二人はあんなにも激しい戦いを繰り広げたのに、とても穏やかに話せるようになるなんて、人間関係ってわからないですよね。
「テミスとして理解しがたい執着だが……そういう想いがあるというのも。万魔殿の深層を見た今ならば、認められる気がするよ」
未来のエリディブスが抱える「執着」について、そう語る過去のテミスは無垢なんだなあと感じます。まだ終末にまつわる悲嘆も絶望も知らない、本来の彼らしいテミスだからこそ、冒険者に対し穏やかな祝福を手向けられたのかもしれないと思うと、「人間、たまには初心にかえることも大切かもー」とも感じるようになるのです。
世の中のアレコレを知らない、本来のわたしだったら、穏やかに受け入れることもあるかもしれない。なんてね。
暁月のフィナーレ「幸せを運ぶ鳥」

再生している理由:悪友たち(?)が見せるツーカーぶりと疾走感が大好きだから!
暁月のフィナーレ「幸せを運ぶ鳥」ではカットシーン1をよく再生しています。前半部分の不気味な展開は適度に受け流して、後半部分に描かれてるどんでん返しが、本当に爽快だと感じられて大好きなんですよ。
よくよく考えたら、エメトセルクもヒュトロダエウスも、そしてヘルメスも記憶を失ってしまうのですから、ハッピーな展開ではありません。でもこれから記憶を失うと分かっていながら、これから難易度が上がった困難に立ち向かうことになるのに、微笑みを浮かべて冒険者を見送っている二人を、かっこいいなあ素敵だなあと感じるのです。
「私に託されたものを、投げ出すなよ」
そして勇気をもらった気持ちになる。
わたしは小心者で、ちょっとしたことで揺らぐから、余計に疲れやすいんですよ。どーんとおおらかに構えていられたらいいのにと願う人だから、この窮地でも揺らがない二人の姿に力づけられます。そして他人事には思えないほど、悄然としているヘルメスの肩を叩きたくもなるのですよ。
そうして気づいたら、元気になってるのです。不思議ですねー。
漆黒のヴィランズ「漆黒のヴィランズ」

再生している理由:とにかく最高に大好きなカットシーンだから!!
三選と書きましたが、ぶっちぎりで再生回数が多いカットシーンは、この「漆黒のヴィランズ」のカットシーン2です。ええ、漆黒のヴィランズの山場ですよね。最高に輝いている敵に、毅然と反論を重ねる仲間たち、そして光に侵食されつつある冒険者に、手を差し伸べるこの世界の英雄--。
「なら……魂ごと、持っていけ!」
なんっっって、素晴らしい展開なんでしょうっ!
床にぐったり状態になっていても、このカットシーンが流れたら、もぞもぞ起き上がりますよ。くわっっと目を見開いて、正座鑑賞ですよ。はじめから終わりまでガッツリみたい、見逃したくない。
これまで書いてきたカットシーンが穏やかな回復薬だとしたら、この「漆黒のヴィランズ」はカンフル剤です。急激な回復をもたらしてくれます。途中、コントローラーのボタンを押さねばならぬという面倒はありますが、そんな面倒があっても繰り返し再生してしまいたい。
「馬鹿な……! お前、なぜそこに……!」
おまけに、揺らがない敵に見えたエメトセルクの、深刻な動揺。
「逆だよ……。このままじゃ死にきれないから、這い出してきたんだ」
囚われの、に思っていたグ・ラハ・ティアの、思いがけない逆襲。
どれもこれも美味しい。美味しすぎる。ありがとうございます、ごちそうさまです、と拝みたくなる萌え場面の連続に、わたしの疲れはすっかり吹き飛んでしまうのでした。
んー、いろいろあった気がするけれど、今日もこのカットシーンを見れたからいいや、になるのです。
暁月のフィナーレ「ぐらりサベネア旅情」

再生している理由:クスッと笑えるから。
三選と書きましたが、これも忘れちゃあかんカットシーンです。「ぐらりサベネア旅情」--のりにのってナレーションしている誰かさんの、本当に絶妙な語り口に、毎回笑ってしまうのです。
「--本当にどうにかできるのか?」
不安になるよね(笑)
おまけに唯一、無事な姿を見せてくれてたエスティニアンが、まさかの経済的要注意人物。油断できません、動けなくなってる場合じゃありません。ええい、動かないでいられるか!
という展開に、激しく共感しています。カットシーンも手短だし、手軽に楽しめる癒しです!
おやつは長い夜に欠かせない。
さてさて、わたしが疲れ切ったときに眺めるカットシーンについて書いてまいりました。
ゲームなんだからゲームしようよ、と呆れられてしまうかもしれない楽しみかたかもしれません。でもこの世界の楽しみかたは千差万別、ですよね? こういう形でゲーム世界を満喫しても許されると思うのです。
コーラとポポトチップス(買えなかった人はポテトチップスでオッケー)を用意して、カットシーン鑑賞だけでエオインタイムが終わる、そんな時もたまにはいいのではないでしょうか。
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