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イシュガルドを進んでいると、モーン大岩窟というところに辿り着きます。
ま、他のところと同じように、敵がうろついている場所なんですけれどもさ、その入り口にはドラゴンの亡骸が横たわってるんですよね。無造作に通り過ぎるのも気が引けて、通りがかるたびについつい祈っちゃうんですが、ここにドラゴンの亡骸がある理由はなんだろ、と思うことがあります。
この先にある霊峰ソーム・アルはドラゴンたちにとっての聖地であり、墓所。
だとしたら、このドラゴンはその墓所に辿り着くことなく、命を終えてしまったのかな。だから他のドラゴンたちもこの亡骸を放置しているんだろうか。言葉を交わせるからドラゴンに親近感を覚えますが、それでもこの猛々しい生き物には独自のルールがありそうだなあとも思ってしまいます。
さて、ここから先は、蒼天のイシュガルドメインクエストの感想となります。具体的にはLV53〜LV54のあたりまで。ネタバレ配慮の乏しい内容となりますからご了承の上、続きをご覧ください。
よろしくお願いします。
グナース族の蛮神「ラーヴァナ」を討伐し、不可侵を約束させたことをヴィゾーヴニルに報告します。
すると驚きつつも、ヴィゾーヴニルは約束を守り、霊峰「ソーム・アル」への道を開いてくれます。
同時に、忠告をしてくれました。
霊峰「ソーム・アル」に人が立ち入るのはおよそ1,000年ぶり。ドラゴン族の聖地でもある霊峰に人が入り込んだと知れば、ニーズヘッグの眷属たちがきっと黙っていない。おまえたちは招かれざる客であることを忘れないように、と。
加えて、エスティニアンが持つ竜の眼に関しても、助言をくれました。
後の展開を知る身にはありがたい言葉なんだけど、この時点の冒険者たちにはわからないっ。それでも意味のある助言だと感じ取ったのか、イゼルが慎重に先を進もうと言ってくれます。特にティオマンという雌竜は強大な力を持つから、と。
でもねえ、エスティニアンはねえ。
だからそういう言い回ししたら、ドラゴン贔屓のイゼルが反発しちゃうじゃん……。
「言ったはずよ、対話するために行くのだと!」
「女、勘違いするなよ……。俺はイシュガルドの民を守るために来たのだ。それに、対話するのはフレースヴェルグだろう? その雌竜を屠れば、奴の侵攻の翼も鈍ろうというもの……それが蒼の竜騎士である、俺の務めだ」
そうかなあ。仲間を殺されたら、フツー、復讐に向けてますます猛り狂うんじゃない?
と思ってしまったわたし。でもこの文章を書いていて、気づきました。
要するに、この時点でのエスティニアンは、七大天竜と呼ばれるニーズヘッグを、知性ある「獣」のように思ってるのね。単純に、眼を奪われたから憤ってると思ってる。だからその仲間を殺したら、ドラゴンといえど獣なんだから、生存本能を発揮して、我が身かわいさに怯むと思ってる。獣ってそういうものだから。
でもこの先の展開を知っているわたしにしてみると、ドラゴンって知的生命体なんですよね。
人間と同じように、もしくはそれ以上に、深い情を持つ生き物。もともと住んでいた故郷の惑星では、生態系ピラミッドの頂点にいた生き物だから、ある面では人間と同じ。だからドラゴンを「屠る」という言葉になんとなく違和感を覚えるし、ましてや「ドラゴンの眼を刳り貫く」という言葉に、ちょっとしたおぞましさを感じちゃうんだ。
もしかしたら、そんなドラゴンとの絆を築いたシヴァは、ドラゴンが単なる獣ではないことを、本能的にか、あるいは知性を以って、悟っていたのかもしれません。だからこそ、フレースヴェルグに愛情を抱いたのかも。
……まあ、だからこそ正直に言いますと、シヴァの、フレースヴェルグへのお願い「共に在るために我が身を食らってほしい」という願いは、ちょっと引いちゃうなあとも思っちゃったんですけどね。
反発し合うエスティニアンとイゼルを、例によってアルフィノが宥めます。「ドラゴン族に襲撃されれば、これを払いのけつつ進む。ただし、避けられる戦いは避ける」という基本方針を固めて、霊峰踏破 ソーム・アルに挑むのです。
コンテンツサポーター実装につき、このダンジョンはアルフィノ、エスティニアン、そしてイゼルと共に挑むことができるようになりました。わかってらっしゃいますね、運営の皆さん! しかし冒険者までDPSだとタンクは誰がやるんだろ、エスティニアン? と首を傾げていたら、まさかのイゼルがタンクです。氷の剣と盾を用いて、ナイトになるんだからびっくらしましたよ。で、実際に戦っている姿を見て、「交代したほうがよかったかな」という気持ちに。イゼル、ミニスカートでタンクは、やめたほうがいい……。
ソーム・アルの最後のボス、ニーズヘッグお気に入りのティオマンを倒したあと、エスティニアンが苦しそうにうずくまります。なんでも、ニーズヘッグの怒りの感情が、竜の眼を通じて伝わってきたそうです。
あー……。そうだよねえ。ニーズヘッグにしてみたら、……ねええ?
不穏な気配が漂ってるなあとビクビクしながら、先に進みます。そうしてついに、ソーム・アルの頂に到達するのですが、なんとびっくりな姿を見かけます。
ええ、モーグリ族です!!
黒衣森にしかいないはずのモーグリ族がなぜここに? 不思議に思った冒険者たちはその姿を探すのですが、見つかりません。や、フレースヴェルグの居場所を知っているかも知れないから、探そうと思ったんですよね。
ちなみに、モーグリ族を初めてみたイシュガルド人の反応は対照的。
エスティニアンは「その辺にある綿毛みたいな植物と、見間違えたんじゃないのか?」というもの。そしてイゼルは「初めて見たが、案外、可愛いものだな……」というもの。
さらにイゼルってば、「な、なんだ、意外そうな顔をして! 私とて可愛いものを、可愛いと思うことくらいあるぞ。『氷の巫女』と呼ばれても、心まで凍り付いてはいないのだ」という言葉を重ねます。
ここでそういう言葉を重ねるあなたこそ、かわいい人ですよイゼル。
さて、素直に探したところで雲海のモーグリ族は見つかりません。だから黒衣森のモーグリ族に協力を仰ごうという流れになりまして、冒険者とアルフィノはグリダニアに飛びます。
いちお、エスティニアンにはニーズヘッグの見張りをお願いし、イゼルには対話可能なドラゴン族を探して、フレースヴェルグの居所を尋ねてもらうようにお願いしています。
でね、グリダニアを訪れたところ、カヌ・エ・センナさまがあっさりと面会してくれました。そうして冒険者たちが詳細な事情を話していると、クポロ・コップが現れます。ええと、善王モグル・モグXII世が召喚されたとき、仲間たちを止めようとしたモーグリ族ですね。カヌ・エ・センナさまに木の実を届けにきたそうですよ。仲良しなんですねえ。
で、クポロ・コップは雲海のモーグリ族に興味を示し、自分が雲海を訪ねると言ってくれます。そうしたら人を警戒して姿を消した、雲海のモーグリ族も姿を現して、話を聞いてくれるだろうから、と言って。
さらに、カヌ・エ・センナさまも同行すると言い出しました。
この提案にはまわりの側近さんたちも「反対!」という反応を見せるんですが、「良いですね?」というカヌ・エ・センナさまの言葉に承諾させられてしまうのでした。
……前々から思っていたけれど、カヌ・エ・センナさまって時々、提督より大胆になりますよねー。新生エオルゼアの時代、ガイウスからの書状が届いて揉めていたとき、いち早く決断を下したのもこの人ですし、三ヶ国の代表(提督、ナナモさま、カヌ・エ・センナさま)の中ではいちばん思い切ったことを実行するお人なのでは、と思うこともあります。
提督もナナモさまも、けっこう慎重だと思うのですよ。や、ナナモさまはね、王朝を終わらせようとなさいましたが、あれってある意味、追い詰められた人間ならではの決断、という気がしません?
とにかく、雲海を訪れたカヌ・エ・センナさまの働きかけによって、雲海のモーグリが現れました!
冒険者たちは事情を説明し、協力をあおごうとします。でも雲海のモーグリ族の長老は、邪竜の眷属を怒らせて、雲海の平和を乱してほしくないと言うのです。クポロ・コップがとりなしてくれるのですが、決断できないよう。
そこで、カヌ・エ・センナさまがお互いを知ることから始めましょう、と提案してくれたおかげで、冒険者たちはモーグリ族の信用を得るために、モーグリ族の試練を受けることになるのでした。
で、三つの試練を済ませたあと、モグリンに話しかけたら、こんなことを言われました。
ぴく。
すかさず、こんな言葉を言えたカヌ・エ・センナさまは、清いおかただなあ……。
や、モーグリ族の試練ってさ、簡単なものばかりでしたよ。だから手間と言えるほどの手間はなかったんですけれど、でも信用してもらうためとはいえ頑張ってこなしたあれこれへの、ちょーっとした言い回しに引っ掛かりを覚えちゃったわけですよ。
凡人ですからね、悟っていませんからね! 忌憚なく正直な反応をあらわにするならば。
そうそう、こんな感じ。
まあ、ここは大人になることといたしまして、モグリンの言葉の続きを聞きます。
するとね、モグリンはフレースヴェルグを呼ぶためのラッパを渡してくれたのですよ。西にある「白亜の宮殿」でこのラッパを吹き鳴らすと、フレースヴェルグがやってきてくれるそうです。
へえ。グナース族と違って、モーグリ族とドラゴン族の仲は比較的良好なんですね。
「聖竜様が力を貸してくれるとはかぎらないくぽ。……だって……いや、なんでもないくぽ……」
モグリンはそんなことも言いました。あ、知ってるんだ。この先にフレースヴェルグから明かされるだろう真実を、モグリンは知ってるんですね。わたしも思い出して、なんとなくしょんぼり。イゼルが嬉しそうに、自信たっぷりに「案ずることはない」と言ってるから、余計に、しょんぼりしちゃいますよ……。
冒険者たちがモーグリ族の協力を得られたことを見届けて、カヌ・エ・センナさまはグリダニアに戻ります。その前に、忠告を残してくれました。竜の眼ですよね。うーん、でも今のエスティニアンはなにがあっても竜の眼を手放さないだろうなあと思います……。気をつけますが、冒険者がいくら気をつけてもなあ……うーん。
いまは意気揚々とフレースヴェルグの元に向かうしかありません。
モグタンというモーグリ族の案内を受けて、冒険者たちは「白亜の宮殿」に向かいます。途中、ドラゴン族の襲撃があるのですが、モグタン曰く、ドラゴンたちがいつも以上に気が立ってるようです。そりゃねえ。
実際に、白亜の宮殿に到着するのですが、モグタンが風の調子をうかがったところ、フレースヴェルグはいま、雲海の下に行っているようです。ラッパを拭いてもフレースヴェルグには届かない。
だから風の流れが変わるまで、待つことにしました。
この場面が、わたしは大好きです〜!!
ヒヤヒヤさせられることも多い旅路でしたが、でもこの四人、確かに何かが通じ合っていると感じられる演出ですよねっ!!
イゼルが作ってくれたシチューはどんな味だったんだろう。クルザスだから、北◯道クリームシチュー系かな。あ、でもミルクがないから無理かー。クリムゾンスープあたりかな。サワークリームもなかったでしょうけど。
ちなみに、クリームシチューは日本で独自に発展した料理だそうです。それからフランスでは調理方法や鍋の種類によって煮込み料理の名前が変わってくるようですね。クリーム煮はブランケット、鶏肉の煮込み料理がフリカッセ、ふたつきの蒸し焼き鍋を使う煮込み料理がキャセロール、海鮮を使った煮込み料理がブイヤベースだそうですよ。
もとい。
アルフィノの、自らをかえりみる言葉にイゼルが同調し、いつになく穏やかな態度でエスティニアンも言葉を挟みます。高地ドラヴァニアの遺跡に対し、懐疑的な発言をしていたエスティニアンでしたが、さすがにこの地のあちこちにある遺跡を見て、考えを改めたよう。
エスティニアンは自らを、アルフィノやイゼルと同様に、無知だと痛感した上で言うのです。
「だが、この『千年戦争』に終止符を打たなければ、俺のような存在が、増えるだけだということは知っている。そして、俺には邪竜を止める力があることもな。もし、その力を振るうしかないとわかれば、誰かの命令ではなく、俺自身の選択としてニーズヘッグを討つぞ」
この言葉に、イゼルはエスティニアンを睨むのですが。
「すべては、対話次第だ。『氷の巫女』よ、お前にも信念があるのだろう? ……だったら、フレースヴェルグを説得してみせろ」
そんな言葉に、エスティニアンの変化を感じ取ったんでしょうね。
エスティニアンを睨んでばかりいたイゼルが、このとき、やわらかに微笑んでこう言うのですよ。
いい夜ですよねえ。
仲間たちと思うところを率直に話し合って、明日への希望に満ちた、素晴らしい未来が待ってるんじゃないかと期待してしまう夜。わちゃわちゃしながら旅を続けてきたから、たどり着くことができた穏やかな夜です。
冒険者はやっぱりなにかを語ることはなかったのですけれど、この時間を尊いと思ったんじゃないかなあ。
さて、尊い夜が明けてラッパを吹き鳴らしたところ、フレースヴェルグが現れました。
が、静寂を好むという聖竜フレースヴェルグは重々しく言い放ちます。--「去れ、人の子よ」
フレースヴェルグの言葉は、ドラゴン族特有の言葉なんですが、さいわいにも冒険者以外のメンバーにも意味が通じるようです。でね、イゼルが進み出てフレースヴェルグに話しかけるのですが、イゼルがシヴァの名前を出したとたん、フレースヴェルグは激昂するんですよね。
「シヴァ……その名を、人の子が口にするか!」
あれこれやばい? と思う瞬間。たじろぎながらもイゼルは必死になって言葉を重ねるのですが、その言葉は決してシヴァを貶める内容ではなかったのですが、イゼルの言葉を聞いたフレースヴェルグは言います。
「愚かな娘よ……。光の意思に助けられ過去を視たようだが、それで、すべてを見知った気になったか。お主が呼び降ろしたものは、断じてシヴァではない。それは、お主が心に抱いた幻想に過ぎぬ」
フレースヴェルグが言うには、神降ろしとは神を創造する行為だそうです。
だからイゼルが信じ、喚び降ろしてきた存在は、イゼルが生み出したまぼろし。明かされた事実に、イゼルは呆然と膝をつきますが、アルフィノが進み出て、言葉を引き継ぎます。
「聖竜よ、だがそれでも……我々は命を賭してこの地にきた……。竜と人の因果を断ち切るため、ここまで歩んできたのです! その心だけは、決して幻想などではない! どうか、この不毛な争いを止めるために、貴方の力を!」
けれど、フレースヴェルグの心には、この言葉は届きません。
とことん人間に失望した様子で、過去に起きた出来事を語り始めます。
それは、イゼルが語ったよりも、凄惨な事実でした。
おぞましいですよね……。
わたし、手塚治虫先生の「火の鳥」の宇宙編を思い出しちゃった。昨日まで友と呼び、伴侶として愛しただろう知的生命体たちを、欲望と偏見に負けて殺害し、貪りくらう男が登場する漫画なんですよ。脳に刻まれた強烈な内容だから、初めて読んだ小学生の時から今に至るまで、火の鳥の深遠なテーマとセットで忘れられない漫画です。
それはさておいて。
とにかく、イゼルが把握していたよりもずっと凄惨な事実です。一同は絶句し、かろうじてエスティニアンが「俺たちイシュガルドの民が聞いて育ってきた、『千年戦争』のそれとはあまりに異なる」と言い返しますが、フレースヴェルグは「我が目に焼きつき離れぬこの情景こそが、笑ら竜族にとっての真実」と続けます。
さらに、異端者の存在も、ニーズヘッグの復讐計画に折り込まれてるそう。
ラタトスクの眼を喰らった王と騎士の子孫は、その体に竜の因子を宿して生まれてくる。だから竜の血を与えれば、竜の眷属に生まれ変わる。これを永遠に支配することが、ニーズヘッグの狙いなんだとか。
よ、よくぞ考え付いたなそんな復讐方法。ニーズヘッグの怨念の深さが伝わってきます。
エスティニアンも、ニーズヘッグがその気になればイシュガルドを滅ぼせるのに、という疑問に答えを得たようです。
なかなか感傷的な言い回しをしますね、エスティニアン。
そもそもラタトスクが人間たちの阿鼻叫喚を鎮魂歌として受け止める感性の持ち主だろーか、という疑問は、絶対に口に出しちゃあかん言葉ですね。ええ、ドラゴンを騙し討ちにした人間という種族の一人として。
イゼルがこんなことを言っちゃいましたが、さすがにこのときは、いやいやいや、謝意という軽々しいものを伝えたからと言って、どうにかなる事態じゃないよう、と言いたくなりました。
返すなら、ラタトスクを返せ、と言われてもおかしくない状況じゃないですか。
不可能でしょそれ。
皇都襲撃のときにも思ったけれど、イゼルって、人という種が犯した過ちを償わなければと言いながら、その過ちを犯した当事者という意識はないよね、と思ってしまいそうになりました。罪を自覚していると言いながら、どこか他人事っぽい。や、明かされた真実に衝撃を受けたイゼルに、追い打ちをかけるような言葉は言えませんが。
フレースヴェルグが言っちゃったー。
そうしてフレースヴェルグは飛び去り、冒険者たちは呆然と見送ります。
アルフィノが「ニーズヘッグを止めるにはどうすればいいのだ」と思い悩み始めたところで、蒼天のイシュガルドチャプター1が終了となりました。いや、落とし具合が最高です。
ですから今回の感想語りも、ここで終わり。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました〜!
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